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駄作 感想

 03, 2014 01:32
「誰が、なぜ、化け物なのか?」

これはヤヴァイ。「バケモノの、バケモノによる、バケモノのための、ADV」という看板に偽り無し。
各キャラクターがヒトとしての駄作っぷりをあたり構わず撒き散らしまくる酷い内容。だが、それがいい。
コンプレックス、トラウマ、罪悪感、嫉妬、執着、羨望、そして愛情と、ありとあらゆるドス黒い感情が絡み合う、そんな爽やかな人間模様。
在りし日のブサイク時代の名作「ク・リトル・リトル」を彷彿とさせる狂ったセカイに浸れます。全編がクリトルのヨゾラルートみたいな感じ。

一周目は強制ルート。ヒロインを解体してつなぎ合わせる基地外の話。
そして二周目からは選択肢で各ヒロインを選ぶことでそれぞれのルートに入れます。
全ヒロインクリアでオマケ程度のハーレムあり。
どのルートも血と臓物と汚物と罵詈雑言がこれでもかとぶちまけられるので、普通のエロゲを期待した人はご愁傷様としか言い様がない。そんな人はいないと思いますけど。

登場キャラがどいつもこいつもイカれてるので誰にも感情移入することなく、ただエログロシーンを堪能するだけになりますが個人的にはそれが良かったです。
こんなもんに感情移入させられたら頭おかしくなりますからね。それくらいキ印ばっかり。
一応各キャラが歪んだ経緯とかはちゃんと語られ、それなりに同情を誘う悲惨な過去をみんな抱えているのは分かるんですけどね。
普通のエロゲにもそういうトラウマもちや壊れたヒロインはいるものですが、本作では通常障害を共に乗り越えヒロインを救う役割であるはずの主人公が率先して狂っているのでありがちな展開にはなりません。主人公がヒロインをぶっ壊したり逆にぶっ壊されたり。ともに壊れたり。

このように、物語のキモはこの化け物たちがいかに破滅して行くかを描くことなんでしょうね。だから滅び終わったあとの話は無く、どのルートも割りと唐突に終幕を迎えます。
蛇足が無いという意味ではこれも作品の独特の後味に寄与していると思います。
一方共通ルートでは狂った感を出してないので各々ルート入った途端に出してくる本性に、やや唐突感もあるかも知れません。日常での異常性をもっと描いて欲しかったかも。
通常のエロゲが人間同士のエロ行為を描くのに対し、本作では常軌を逸した化け物同士のぴゅあなお付き合いが濃密に、怒涛の勢いで描かれています。
やってることは理解からは程遠く異常に異常を重ねてますが、これが化け物同士の営みなんだよと言われれば腑に落ちる。
一応全ルート終えて、ふと思い出したのが友成純一の諸作。「肉の儀式」「獣儀式」「凌辱の魔界」などスプラッタ変態文学の傑作群ですがそれらに迫るエログロでした。

「エロゲとしての実用性」は個人的には皆無。これでバッチリ抜ける人もいるんでしょうけど、私はそういう気分にはなりませんね。ただエロシーンというかグロシーンのテキストは良かったです。
エロとしてではなく、こういう見世物としては非常に秀逸で私はとても楽しめました。
絵柄は、もっとうまい絵師さんだったらさぞや凄まじい作品になっただろうなぁと。でもグロすぎないバランスを考慮するとこのあたりに落ち着くのでしょうか。
シナリオ、テキストはかなり好きな部類。読みやすくテンポの良い文章でした。筋立ても面白いですし、フルプライス程度のボリュームで読みたかったです。
声は問題なし。というか、とにかく今作声優さんたちの苦労が忍ばれます。ひたすら奇声を発したり悲鳴をあげたりしてるシーンがめちゃめちゃ多かったですから。普通のエロより疲れそう。
往年のブサイク作品とかeuphoriaとか、リョナのある作品をやるたびエロゲ声優って尊敬に値するなぁと思います。
システム周りはダメです。使いにくい。もっと頑張れ。

お気に入りのヒロインは枢。性同一性障害の女装男子で実はヤク中。お薬キメてのオナニーシーンはなんだか大笑いしました。突然男に戻るところも面白い。
主人公のためにどんどん穴を増やしていくという健気な子です。しのざき嶺のエロマンガみたいだな。
でも一番好きなのはクロエちゃん。外見は最も化け物っぽいですが中身が(作中で比較的)まともっぽい(でも絶対まともじゃない)ところがベネ。
クロエ
毒吐きながらも実はお姉ちゃんラブなところも可愛いですね。
アリスルート限定のサブキャラなのが残念至極。最後のハーレムにもいないし。
そしておそらくそまりは不人気。多分。きっと。メイビー。

あとちょっと気になったのはアリスが枢と平気で同じグループにいたこと。アリスの本性がルート通りならば絶対に相容れない存在だと思うんですが。

個人的には今年トップレベルに気に入った作品です。一般人気は多分出ないでしょうけれど、コアな知る人ぞ知る的な評価をされつづけそうな感じかと。
グロ描写が平気なら、是非オススメです。
駄作駄作
(2014/11/28)
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