私情主義

白暮のクロニクル　4巻

このマンガがすごい！2014でランクインしてしまって、嬉しさ半分悲しさ半分。
「いや、ランキングに載る前から買ってたんだよ!?」と、する必要のない言い訳をしたくなるこの気持ち、一体なんなのだろう。

今巻は「Vの聖痕」シリーズが収録されています。
失踪したデリヘル嬢捜索依頼から遭遇した吸血殺人事件の真相に雪村とあかりがせまります。果たして長命者（オキナガ）が事件に関わっているのか？
長命者援護法改正案提出も絡んで、事件は厚労省、国会、警察、公安を巻き込んで混沌を深めていきます。
雪村は事件を追ううち吸血鬼フリークのウェブサイト「カインの裔」のメンバーと接触するんですが、その一人のサイちゃんは可愛くていいですね。小悪魔っぽい。
出てくるオキナガそれぞれの過去がなかなか壮絶。死なないからそりゃー色んなことがありますよねぇ。新選組に斬られて、学生運動で内ゲバされて、今はIT起業家なんてのはそれだけで一本マンガが描けそう。
若く見える雪村も戦前の生まれですし、上官だった竹之内参事官はもっと上か。
「子供が長じた後、いつ何時私の上に立つか判りませんからね。後から態度を変えるくらいなら、はじめから丁重に対応しておけば楽ですから」という竹之内さんの言葉は死なない人ならではだなぁと感心しました。

結局事件は解決するも、法案提出はある事情からポシャるのですが、資料作成などが無駄になったと残念がるあかりを一喝する雪村カッコイイ。
「俺のハカリでは　お前ら百人の苦労より、二人のデリヘル嬢の命のほうが重いんだ」

ところで、つい最近までPC無知だったのに、あっという間にPCに精通してしまう雪村に違和感。でも二本指タイピングなのは微笑ましい。
主人公のあかりはぬぼーっとデカくて好みです。女の子はデカイかちっちゃいか、どっちかが個性があっていいと思います。

白暮のクロニクル 4 (ビッグコミックス) (2015/01/09) ゆうき まさみ 商品詳細を見る