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あけいろ怪奇譚 感想

 03, 2016 02:08
あけいろ怪奇譚『るり&るか』

20160331 (1)
私は「なないろリンカネーション」が大好きです。様々な弱点は認めつつも大好きです。
そのななリンを生み出したシルキーズプラスWASABIかずきふみラインの新作ということで期待値はかなり高かった本作、面白いけど色々惜しい部分が目立った印象。
詳しく見ていきましょう。

学園の七不思議に挑むという、定番ながら引き込まれる鉄板の設定。こういうの、オッサンのハートにビビっとくるんすよ。
これをしっかりと活かし、グイグイと読ませるシナリオは非常に上手かったと思います。30年前の七不思議縁起から現代の七不思議まで上手く絡めて料理してありました。
前作では各ルート解決が同じで個別感が薄いという欠点がありましたが、今作ではそこはきっちり修正してきました。
様々な謎の解明を各ヒロインルートに散らし、それらすべてを踏まえたあとで開放されるトゥルールートで締め、となります。
伏線の回収なども過不足無く行われ、物語は上質の部類であったのではないかと。
で、物語上においての悪役の方々のまー胸糞悪良いことと言ったらありませんね。マジド外道。
前作の犯人も胸糞野郎ではあったものの、明らかに思考が狂っていたのでまだ勧善懲悪の爽快感がありましたが、今作の、30年前の奴らも現代の奴らは逆に極めて人間的な外道で本当に吐き気を催すほど。悪霊さんに心から同情したくなりますよ。きちんと制裁を受けずに終わってしまうので主人公同様忸怩たるものがあります。スッキリ終わりたいですが一方はもう心が死んでるしもう一方は性根が腐ってるしでアレ以上は無理なんですかね。

ヒロイン含めキャラクターは前作同様素晴らしいと思います。掛け合いの賑やかさもちゃんと引き継がれ、日常シーンがとても楽しい。基本陰惨で辛気臭い本流があるので、一服の清涼剤としてのギャグパートがほんと助けになりました。
クールっぽいベルベットも普通に付き合い良いので仲間はずれ感無いのが良いですね。コナンの灰原みたいな感じでしょうか。(そういえばコナン随分観てないなぁ)
佳奈はボケもツッコミもこなすオールラウンドプレーヤーとして場を賑やかしてくれます。むっちりボディもポイント高い。
るりとるかはマスコットとしての癒やし担当ですね。会話のテンポが独特なのはしょうがないですが、テキストでの「ひそひそ」×2、「こくり」×2が毎度毎度あるのはちょっとつらいかも。
私事ながら、この世ならざるものを餌付けするシチュがかなり好きなので、その意味でもるりとるかはヒットでした。彼女らにひたすら餌付けするだけのFD作ってください。
親友の修司も優秀な情報屋役として、また大ボケ担当としてコメディシーンには欠かせない役割を担ってくれます。良い男性サブキャラは良いギャグゲーには不可欠だと思います。
美里お姉さんはあれですね。圧倒的なCV.まきいづみ感。数年前ならまず間違いなくまきさんが声当ててたでしょ。
主人公大好きで実は文学系ヘンタイというのも面白いですね。
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と、キャラクターは申し分無いのですが、ここにもう一方の勢力が加わると状況が変わってきます。
前作「ななリン」の加賀見家チームの存在です。
プレイしていても加賀見家のキャラが登場してるシーンでのテキストのノリというかテンポというかもう明らかに違うんですよ。完全に加賀見家パートがあけいろパートに勝ってる。
奇しくも主人公が加賀見家を訪れる度述懐する「この家の雰囲気が好き」的な感想、これって前作が好きなユーザーが多かれ少なかれ抱く印象なんじゃないでしょうか。
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日常パートだけならまだしも対旧校舎の悪霊においても加賀見チームの力に頼っていたし、前作よりみんなパワーアップしてたし、あけいろ側のジョーカーである葉子の腰が重いことも手伝って完全に加賀見家のプロモーション状態。(さらに葉子が手をこまねいていたせいでさらに被害が拡大するルートもあるし)
果たして、ななリン勢を登場させたことは正解だったのか、非常に難しいと思います。あけいろ単体で評価しづらくなることを考えると加賀見家は出さずに完全に独立した物語とした方が良かったんじゃないかと思わなくもなかったり。
ただ、これによってななリン熱が高まったのも確かなのでこれを販促としてななリンの続編なりFDなりを出すところまで行けば「おおう商売上手!」となっちゃうかも。

あ、キャラは文句ないんですが、主人公は私は正直嫌いです。心根とか性格とかは良いんですけど、外見と言葉遣いがダメ。
ヒョロメガネの主人公なんか誰得だと思うし、ハンパなエセ体育会系みたいなしゃべり(「うっす」「あざっす」「おねがいしゃっす」など)も徹底的にキショい。もっと普通で良かったんじゃないかなぁ。

えちーはすめらぎ琥珀さんの絵が拝めるだけで結構満足。
むっちりからロリまで網羅してるんでなかなかバラエティに富んでるんじゃないかと。特別濃いプレイがあるわけじゃないですけど、悪くないと思います。
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システム面ですが、新たに装備したフローチャートですがこれが存外使いづらいです。
見た目は普通なんですが枠をクリックするともう一段階拡大されるのが煩わしくて分かりにくい。微妙に自分がいる場所が把握しづらいんですよね。
さらにフローチャートがあるとはいえ、フラグが立った状態でチャート上を歩けるわけじゃないので、結局行きたいルートに行くにはそこそこ前からフラグ立てなおしていく必要があるんですよね。
あっぷりけさんなんかの親切仕様なフローチャートだと思ってると全然思ったところに行けなくてイライラが募ります。フラグの面ではAXLのフローチャートも同様ですがAXLのはフローチャート上で進んで行けるので視覚的にも分かりやすく行きたいルートに進めるんですけど、この作品に載ってるチャートはそうは行かないので改善して欲しいです。もしくはフローチャート無くすか。
スキップはやや遅いし、BGV扱いのボイスはカットできないし、プレイアビリティは今ひとつだったように思います。
バックログからのジャンプも装備して欲しいなー。
オートセーブも日付頭でするかしないか選ばせて欲しかった。

不満も無くはないですが、総合的にはすごく良くできてるし大好きと言っても良いです。
本筋の物語は本当に良く出来てたと思います。読み物としてかなりレベル高いんじゃないかと思います。
こういうホラーものが好きならオススメできますね。グロも結構ありますが、そこが大丈夫ならOKでしょう。

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