新ブランド「娘娘」の第一弾作品です。
いちおうシナリオすまっしゅぱんださん、原画たまひよさんと、それなりに実績のある方が作っているので新ブランドとは言え大きな不安はシステム周りくらいかと思っていたのですが、そこも含めて十分満足のいく出来栄えでした。
原画のたまひよさんは以前から好みの絵柄でしたし、この作品に合った作風でとても良かったと思います。売りであるエロもちゃんとエロかったのでほぼ文句は無し。
シナリオもそれほど悪くはないと思います。ミドルプライス純愛エロゲとしては多分よく出来てる方じゃないでしょうか。一部、かなり冒険的な設定がありますけどそれは後述します。
テキストもごく読みやすく、また誤字もそんなに無かったように思います。エロに関して熱く語る場面が多く共感したりいやいやそれはと反論したくなったりエロゲーマーに感情移入させるつくりになってました。
システムは新ブランドとしては十分ですね。どの項目も過不足無く設定できるしスキップもちゃんと速い。テキストスキップだけじゃなく選択肢までジャンプも備わっているので周回プレイも苦労しませんでした。
最近浸透してきてかなり便利なバックログからのシーンジャンプも付いているのは嬉しいですね。
単なる選択肢を選んでいくだけのADVではなく、所持金やマンガの進捗との兼ね合いでバッドエンドもあるので攻略要素もあります。それほど難しくはないですが、多少バランスを取っていかないとハーレムエンドにはたどり着きづらいかも。
ちなみにお金がゼロになると即ゲームオーバー、8月15日段階でマンガの進捗が100％に達してない場合もバッドエンドです。
キャラクターはどれも良いですね。愛菜、芽美はもちろんロリババァのキヨさんも良いヒロインでした。
ただ可愛いは可愛いけど「萌える」というのとはちょっと違う感覚かと。勿論萌えポイントはあるんですがそれ一辺倒じゃないというか、なんというか。説明に窮しますけど、所謂萌えキャラでは無いと思いました。
借金というか家賃の代わりに身体で払うという重そうな設定ではありますがさほど悲壮感も無いのは助かりました。借金姉妹の1作目みたいなのは嫌いではないですがちょっとキツいですからね。何回かのエッチですぐにノってきてくれるのも良かった。
しっかりものの姉愛菜とツンデレ芽美でバランス取れててどっちも攻略し甲斐があります。
おキヨさんもあけすけなエロさが素敵でした。外見ロリなので二人でラブホ入ろうとしたら捕まったりギャグも面白かった。
男サブキャラもイヤミ無くてとっつきやすかったです。
主人公は正直序盤からキモさ爆発ですけど不思議と忌避感は無かったです。童貞拗らせたエロ妄想力マキシマムっぷりはエロゲ主人公としては悪く無いですね。思ったことをすぐ口に出したり顔に出たりする様は実は私はの主人公朝陽にちょっと似てるかも。
エロへの情熱は人一倍だし、ちゃんとエロゲ主人公してるのは好感を持ちます。
マンガ制作も結構真面目にやってて、打ち合わせシーンではおしっこの味について熱く語りあったり新スクと旧スクについて激論を交わしたりしてました。当然後に実践もあるわけですが。おしっこグビグビやっちゃう主人公マジ男前。その前後のおしっこ論も傾聴に値するし。
おしっこといえば尿シチュが多かったのが嬉しい誤算でしたね。
嬉ション、お漏らし、飲尿と各ヒロイン満遍なく放尿シーンがあって満足です。
エッチシーンは愛菜14、芽美13、おキヨ9、ハーレム1の計37枠とミドルプライスとしては多めだし純愛系としてはかなり濃い目の仕上がり。
先に触れたように尿系多いですしアナルや露出、眠姦もあったりシチュエーションは様々。
マニアックなプレイも結構あり、旧スクの水抜き穴に突っ込んで生地とお腹でコいたり、姉が寝てる隣で妹とハメるなんて背徳的なシチュもあったり。ちなみに姉起きてましたけど。
主人公は連射上等な人なのでぶっかけも割りと派手目。
それから平常時肛門無修正ですが描き込みがリアルで良いアナルでした。
ハーレムも尻並べ差分だけで終わりのありがちな物ではなく、1対1→1対2→1対2→1対3と変化を付けているのがグッドでしたね。
ちゃんと尻並べもあるので私の需要も満たしているのですが。
おキヨさんせっかく黒スト穿いてるのに足コキ無いのは勿体無かったですが、エッチの不満はそのくらいです。
あ、でもヒロイン達とやってるプレイが描いてるエロマンガにどう反映されてるのかっていうのがあまり描写されてないのが残念かな。
エッチシーンのアニメーションも程よく動いてたし価格以上の満足感はありました。
あ、そういえばエッチシーンで度々主人公の顔が映り込むんでそこ気になる人は注意してくださいね。
シナリオはエロ中心のミドルプライスとしてはちゃんと作られてたように思いました。
行為を重ねていくうちに仲良くなるという過程は同じですが、それぞれのシナリオでそれぞれ異なるすれ違いが描かれています。
愛菜√では主人公と愛菜、芽美√では芽美と愛菜、おキヨ√ではおキヨと某キャラ、といった具合。
みんなすぐに解決するしさほど重くならないので無駄シリアスまで行かないバランスは良いところ。
ただ、おキヨ√は人によっては忌避感バリバリでしょうね。
そもそもハナから非処女なので合わない御仁も多そうなのにあの設定、あのお話。
ぶっちゃけると、おキヨさんは◯◯で、主人公以外に好きな男がいるという独占厨の方々が発狂しかねないもの。
公式でちゃんと非処女って書いてあるんでそんな人は寄り付かないと思いますけど、それでも知らずに買っちゃった人とかダメージ大きそう。
私は処女厨でも過度な独占厨でもないのでこの話割りと好きでしたけどね。
それでも今後購入を考えている方はご注意ください。
妹との不幸なスレ違いで悪落ち寸前な愛菜とか主人公のついた嘘に取り乱したおキヨさんとかキャラのギャップも描かれてて楽しいです。
私が一番グラっと来たのは愛菜ルートの告白シーンですね。シナリオ自体は一番ありきたりでこの作品の中ではつまんなかったんですが、このシーンの存在感だけで帳消し。
主人公の告白と主人公が描いたマンガをオーバーラップさせる手法でこれは「おぉっ」と声がでました。まぁ油断してたのも大きいと思いますが、ここはテーマであるマンガを上手く使ったなぁという印象です。スクショ貼ろうかなと思ったけどやめときます。
ブランド第一作としては大成功だと思いますし、個人的にはこのくらいのボリュームが好きです。価格もミドルプライスくらいが一番良いのかなと最近思ってます。
日常シーン掛け合いや笑いとか、萌えとかは突出していないけど丁寧に作られた良作だったんじゃないかと思いますね。
エロも十分頑張ってるし、オススメです。