カプリスの繭Ⅳ
習志野パート全カットかよぅ…。
前話の感想ラストで私が楽しみにしていると述べた雄二が習志野で訓練するお話が残念ながらスルーされました。
米海兵隊と自衛官との違いを見せるエピソードとして、あったほうが良いと思ったんですけどねぇ。なんだかんだ自衛隊と交流して、池の鯉食って怒られたりほのぼの話も多くて好きなパートだったので無念です。尺の問題はやはりついてまわりますなぁ…。雄二の恩人の一人である桑原さんも登場無しかぁ。
体に変調をきたす麻子。病魔に徐々に蝕まれていきます。過去の負傷が原因で患っていた静脈血栓がここにきて悪化し、さらに仕事上でブースタードラッグを常用していた麻子の肉体は病変に対して抵抗する術を持たなかったのです。
ちなみにその原因となった傷を負わせたのが作中登場済みの某人物なのですがそれはまた別の話。
一方習志野での訓練を終えた雄二は、正式に麻子のコードであるI-9029を引き継ぐことになり早速実践配備です。
続いてコロンビアで要人警護の仕事で出張。基本は幼女のお守りですがこの女の子もかわいいですね。ごくナチュラルに女の子を惹きつけてやまない雄二も流石です。原作だと懐かれるまでの一苦労も語られていますが。
そんな任務中の雄二にJBから連絡が入ります。曰く、麻子が倒れたと。
「…帰らなきゃ…」
もう長くは持たないというJBに、矢も盾もたまらずに帰国した雄二は麻子の元へ駆けつける。麻子の手を握りながらボロッボロ泣く雄二の姿は超新鮮です。
でも感動的なシーンのはずなのに、なんか珍しいもの見た感が先に来ちゃいました。あの無表情な雄二の涙の希少性よ。
櫻井さんの演技もなかなか真に迫っていて良いですね。櫻井さんの演技力ならもっとリアルな泣き演技もできると思うんですが、今回のはぎこちなさが逆に成長したあとの雄二の、ほぼ初めてと言っていい感情の発露をうまく表現できていたと思います。
「あぁ…少し疲れたな。もう寝てもいいか…?」
「ああ。おやすみ、麻子」
こうして、愛弟子雄二に看取られながら、日下部麻子は鬼籍に入りました。本当にカッコイイ、いい女でしたね。名セリフも多数。というか口を開けば名言が飛び出す名言製造機でした。
カッコイイ系の役には以前から定評はありましたが、瑞沢渓さんの演技が本当にハマリ役で、もともと大好きな役者さんですがさらに好きになりました。
JBにとっても麻子の存在はとても大きく、養護施設時代からの古いふるーい付き合い。
幼少時代を思い出し一人涙するJBの姿も切ないものがあります。
このJBの過去回想は原作とは挿入位置が異なっていますね。もっと早い段階で有ったのですが、ここで入れてきたのは正解だったと思います。原作では無かったJBの涙のシーンも相まって良い演出。
最愛の女性を喪った雄二はしばし抜け殻のようになりますが、麻子の遺言とも言える教え、「一人五衛」を支えにしていくことを確認します。
「俺は、5人の人間を救うまで死ぬことを許されない。それが、俺に唯一残された、生き残った意味なのだから」
その後はJBに引き取られてJBのマンションで一緒に暮らすことに。
共同生活では、歯ブラシ事件があったり麻子の喪失を夜ごと慰め合ったり。
原作天音ルートではJBのパンツを雄二が洗濯していたというエピソードなんかも語られてましたね。
生前の麻子の言葉を思い出した雄二は旅に出ることにします。一人バイクに跨ってあてども無い北海道の旅。
途中いろんな出会いがありつつも生きる意味を見いだせなかった雄二ですが、バイクが故障したところで出会ったあんちゃんの「青春」というワードにビビっと来ます。
思えば幼少期から陰惨で過酷な運命をたどってきた雄二はまともな青春を送っていないのです。
旅から戻った雄二は麻子の墓前で普通の学校で普通の学生をしてみたいと独り言ちるのでした。
雄二の回想はここで終了。
雄二の過去を盗み見た美浜の5人の表情は一様に鎮痛です。そりゃあんな壮絶な過去を知っちゃったらねぇ。
ヒロインズもそれなりに思い過去を背負っていますが、それでも雄二が経験してきたことに比べればまだまだ甘い。
親の死、親しい者の死、生命の危機、地獄からの生還と、美浜の5人がそれぞれ経験したことを雄二は一人でまとめて背負ってるんですから。
オフィスからの帰途、雄二の仕事用の携帯に着信アリ。
JBかと思って出ると見知らぬ男の声が聞こえてきます。諜報一課と名乗るその男は雄二に極秘の任務を与えます。
日本に密入国した国際的テロリスト、イーサン・グロウの射殺。
しぶしぶ指示に従う雄二ですが、そのスコープに捉えた標的の姿に絶句します。
その男はあのヒース・オスロでした。
任務に失敗した雄二に拘束の命令を下す「地下の彼女」
そして雄二の帰りを待つ美浜ファイブの目に飛び込むニュース。
某国大使館(原作ではカザフスタン)襲撃事件の容疑者の一人として報道される風見雄二の名前。
こうして事態は風雲急を告げて行きます。
さて、というわけで今回で雄二過去編「カプリスの繭」が終了となります。
原作でもかなり評価の高い人気のエピソード群ですが、期待に違わずアニメの出来も上々だったと思います。もちろん細かな不満点はいくつかありますが全体のクオリティから見れば些細なことなので追求はしません。
麻子をちゃんとかっこよく描いてくれて本当に良かった。幼少雄二も素晴らしかったんじゃないかな。諏訪さんの名前を覚えておこう。ヤブイヌ小隊も悪くなかったのでカプリス全体的に満足度は高かったです。
次回からブランエールの種編がスタートとなります。
雄二がヒロインを救う「果実」
実は真に救われるべきは雄二であると判明する「迷宮(カプリスの繭)」
ヒロインたちが雄二を救わんと奮闘する「楽園(ブランエールの種)」
と、グリザイアはこういう構成になっています。ついにその掉尾を飾るブランエールの種編が開幕!
…なんですが、とにかく原作の評判があまり良くない。
私自身は後半部分以外はかなり好きなんですよね。全員が一堂に会するシーンまでの尋常じゃない勢い、雄二を救うために奔走する美浜女子挺身隊のご都合な活躍、嫌いじゃないぜ。だから全編一緒くたに酷評されるとちょっと忸怩たるものがあります。
比較的擁護派の私もラストバトル~締めまでは絶対にあれじゃアカンとは思ってるので、アニメでは良い方向に改変して欲しいと思っています。
おまけ。ショートカットの清水愛さんがめっさキュートでした。(無論ウイッグでしょうけど)
習志野パート全カットかよぅ…。
前話の感想ラストで私が楽しみにしていると述べた雄二が習志野で訓練するお話が残念ながらスルーされました。
米海兵隊と自衛官との違いを見せるエピソードとして、あったほうが良いと思ったんですけどねぇ。なんだかんだ自衛隊と交流して、池の鯉食って怒られたりほのぼの話も多くて好きなパートだったので無念です。尺の問題はやはりついてまわりますなぁ…。雄二の恩人の一人である桑原さんも登場無しかぁ。
体に変調をきたす麻子。病魔に徐々に蝕まれていきます。過去の負傷が原因で患っていた静脈血栓がここにきて悪化し、さらに仕事上でブースタードラッグを常用していた麻子の肉体は病変に対して抵抗する術を持たなかったのです。
ちなみにその原因となった傷を負わせたのが作中登場済みの某人物なのですがそれはまた別の話。
一方習志野での訓練を終えた雄二は、正式に麻子のコードであるI-9029を引き継ぐことになり早速実践配備です。
続いてコロンビアで要人警護の仕事で出張。基本は幼女のお守りですがこの女の子もかわいいですね。ごくナチュラルに女の子を惹きつけてやまない雄二も流石です。原作だと懐かれるまでの一苦労も語られていますが。
そんな任務中の雄二にJBから連絡が入ります。曰く、麻子が倒れたと。
「…帰らなきゃ…」
もう長くは持たないというJBに、矢も盾もたまらずに帰国した雄二は麻子の元へ駆けつける。麻子の手を握りながらボロッボロ泣く雄二の姿は超新鮮です。
でも感動的なシーンのはずなのに、なんか珍しいもの見た感が先に来ちゃいました。あの無表情な雄二の涙の希少性よ。
櫻井さんの演技もなかなか真に迫っていて良いですね。櫻井さんの演技力ならもっとリアルな泣き演技もできると思うんですが、今回のはぎこちなさが逆に成長したあとの雄二の、ほぼ初めてと言っていい感情の発露をうまく表現できていたと思います。
「あぁ…少し疲れたな。もう寝てもいいか…?」
「ああ。おやすみ、麻子」
こうして、愛弟子雄二に看取られながら、日下部麻子は鬼籍に入りました。本当にカッコイイ、いい女でしたね。名セリフも多数。というか口を開けば名言が飛び出す名言製造機でした。
カッコイイ系の役には以前から定評はありましたが、瑞沢渓さんの演技が本当にハマリ役で、もともと大好きな役者さんですがさらに好きになりました。
JBにとっても麻子の存在はとても大きく、養護施設時代からの古いふるーい付き合い。
幼少時代を思い出し一人涙するJBの姿も切ないものがあります。
このJBの過去回想は原作とは挿入位置が異なっていますね。もっと早い段階で有ったのですが、ここで入れてきたのは正解だったと思います。原作では無かったJBの涙のシーンも相まって良い演出。
最愛の女性を喪った雄二はしばし抜け殻のようになりますが、麻子の遺言とも言える教え、「一人五衛」を支えにしていくことを確認します。
「俺は、5人の人間を救うまで死ぬことを許されない。それが、俺に唯一残された、生き残った意味なのだから」
その後はJBに引き取られてJBのマンションで一緒に暮らすことに。
共同生活では、歯ブラシ事件があったり麻子の喪失を夜ごと慰め合ったり。
原作天音ルートではJBのパンツを雄二が洗濯していたというエピソードなんかも語られてましたね。
生前の麻子の言葉を思い出した雄二は旅に出ることにします。一人バイクに跨ってあてども無い北海道の旅。
途中いろんな出会いがありつつも生きる意味を見いだせなかった雄二ですが、バイクが故障したところで出会ったあんちゃんの「青春」というワードにビビっと来ます。
思えば幼少期から陰惨で過酷な運命をたどってきた雄二はまともな青春を送っていないのです。
旅から戻った雄二は麻子の墓前で普通の学校で普通の学生をしてみたいと独り言ちるのでした。
雄二の回想はここで終了。
雄二の過去を盗み見た美浜の5人の表情は一様に鎮痛です。そりゃあんな壮絶な過去を知っちゃったらねぇ。
ヒロインズもそれなりに思い過去を背負っていますが、それでも雄二が経験してきたことに比べればまだまだ甘い。
親の死、親しい者の死、生命の危機、地獄からの生還と、美浜の5人がそれぞれ経験したことを雄二は一人でまとめて背負ってるんですから。
オフィスからの帰途、雄二の仕事用の携帯に着信アリ。
JBかと思って出ると見知らぬ男の声が聞こえてきます。諜報一課と名乗るその男は雄二に極秘の任務を与えます。
日本に密入国した国際的テロリスト、イーサン・グロウの射殺。
しぶしぶ指示に従う雄二ですが、そのスコープに捉えた標的の姿に絶句します。
その男はあのヒース・オスロでした。
任務に失敗した雄二に拘束の命令を下す「地下の彼女」
そして雄二の帰りを待つ美浜ファイブの目に飛び込むニュース。
某国大使館(原作ではカザフスタン)襲撃事件の容疑者の一人として報道される風見雄二の名前。
こうして事態は風雲急を告げて行きます。
さて、というわけで今回で雄二過去編「カプリスの繭」が終了となります。
原作でもかなり評価の高い人気のエピソード群ですが、期待に違わずアニメの出来も上々だったと思います。もちろん細かな不満点はいくつかありますが全体のクオリティから見れば些細なことなので追求はしません。
麻子をちゃんとかっこよく描いてくれて本当に良かった。幼少雄二も素晴らしかったんじゃないかな。諏訪さんの名前を覚えておこう。ヤブイヌ小隊も悪くなかったのでカプリス全体的に満足度は高かったです。
次回からブランエールの種編がスタートとなります。
雄二がヒロインを救う「果実」
実は真に救われるべきは雄二であると判明する「迷宮(カプリスの繭)」
ヒロインたちが雄二を救わんと奮闘する「楽園(ブランエールの種)」
と、グリザイアはこういう構成になっています。ついにその掉尾を飾るブランエールの種編が開幕!
…なんですが、とにかく原作の評判があまり良くない。
私自身は後半部分以外はかなり好きなんですよね。全員が一堂に会するシーンまでの尋常じゃない勢い、雄二を救うために奔走する美浜女子挺身隊のご都合な活躍、嫌いじゃないぜ。だから全編一緒くたに酷評されるとちょっと忸怩たるものがあります。
比較的擁護派の私もラストバトル~締めまでは絶対にあれじゃアカンとは思ってるので、アニメでは良い方向に改変して欲しいと思っています。
おまけ。ショートカットの清水愛さんがめっさキュートでした。(無論ウイッグでしょうけど)