2014年12月の記事 - 私情主義

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「エンジェリック・ハゥルⅡ」

転落二日目。
夜が明け、テント内に一姫の姿はなし。探しに出た天音は佐久間先輩に遭遇します。
彼女はメール送信状態のケータイを空に放り投げて圏内に入らないかと試行錯誤中。こういう無駄っぽい足掻きがリアル感あります。
佐久間先輩と別れて少し森に入ると一姫を発見。用足しのついでに食べられそう（食べられるとは言っていない）な草を採集していたとのこと。
食材はまだあるという天音に対し、長期戦になることも考えて食料はとっておくべきと一姫。
気弱になる天音に一姫は助かる方法が有るような示唆をしますが、今はまだ耐えるしかないと。
水汲みの最中、ちょっとした行き違いから一姫がスネます。ここで佐久間先輩の助言を思い出した天音は一姫に、
「大体どうして貴女私とのペアなんて受け入れたの？」
「それはね、一姫のことが一番好き、だからだよ」
「はい？」

デレ一姫ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!
ここで天音は初めて一姫から一本取ることに成功。

その後、上空にヘリコプターの姿が見えるも助けを求める声は届かず、飛び去ったまま戻っては来ませんでした。

転落三日目。
暑さのため、死亡した３人の遺体が腐乱し始めます。越智教諭の手で森の奥へ移されます。

マキナのパパといい、よく死体が腐乱するアニメですね。
日課となった採集活動の際一姫は天音に弟について語ります。ズバリ雄二君のことですね！
「バカではないと思うけれど、私の弟って時点でどうしても比較されてしまうし、ちょっと頑張った程度じゃ誰も認めてはくれないのよね。あの子に失望する声は多いしそれは両親すら例外じゃないけど、私はあの子をとても愛しているわ」

転落六日目。
テント内で焦る小出さん。なんでも食料のニンジンが一本足りないとのこと。
そんなことが坂下部長に知れたら大目玉ですからね。
一姫が機転を利かせ、10本のニンジンを11本に。ミステリとかではお馴染みのあのトリックですね。
泣いて喜ぶ小出さん。

「いいのよ葎ちゃん。気にしないで」
（小出先輩、とんでもない女に借りを作ったって気づいてるのかな）何気にヒドイ天音。

転落七日目
負傷者のテントで一姫と坂下部長の口論。食欲がないという広岡さんにムリヤリ食事させようとする部長を一姫が制止。
「弱者を相手にいい人ごっこをしている姿を主張したいのなら少しは他者を思いやる姿勢を見せてはいかがですか？」キツイ物言いですが、ぐぬぬとなった部長は立ち去ります。
一姫は広岡さんが食事を拒んだ理由を察したのですね。両足骨折の広岡さんは自分の足で歩けません。つまりトイレにもいけない。出したくないから食べたくないがその理由だったのです。
お漏らししてしまい泣きじゃくる広岡さんを優しく諭す一姫。一姫の優しい表情を見て天音はちょっとスネます。がその後のフォローも万全の一姫さん。

お口でちゅっちゅは止血の効果あるんでせうか？

転落八日目。
越智教諭が単独下山に挑戦する模様。不安を口にする天音に一姫は言います。
「心配は要らないわ。もしも何かを犠牲にしなければ貴女を守れないという状況になったら、私は全てを犠牲にしてでも貴女を守るから。大丈夫」

カッコイイ。そしてやっぱり雄二に似ている。

転落十日目。
降り続く雨。こういう状況での湿気はかなりキツそうですね。気も滅入りますし。
「ほら、これでも食べて元気をだして」
「う～。もうデンデンムシ飽きた…。ていうか虫以外のものが食べたいよ」

カタツムリが常食になってるとは、紛れも無い極限サバイバル状況ですね。寄生虫とかやばそう。ちゃんと火を通せば大丈夫なのかしら？
桜井さんの傷口にはウジがわき、動けない広岡さんの体にはカビが生えてしまいます。

親身に世話する天音と一姫に、泣いて感謝を伝える広岡さん。
「私、死んでも絶対にこの恩を忘れないよ…」
ちなみに死して後、本当に広岡さんは二人を助けることになるのですが。

転落十一日目。
ご陽気に歌う伊吹さん。ちょっとオカしくなっている。

それ以外にも、全員が栄養不足のため気力体力の限界を迎えようとしています。
助けを呼びに行った先生も二日以上戻らず絶望感が蔓延。
このあたりの描写はアニメならではですね。原作ではずっとキレイな立ち絵が表示されていましたけど、アニメではみんなどんどん衰弱し薄汚れていくので視覚的に窮地がわかりやすいメリットが生かされています。
原作のキッツい文章で綴られる緊迫感も良いですけどね。

転落十二日目。
古森さんの愛犬アリオンが死亡。悲しむ古森さんですが現実は非情である。

「せめて、手厚く葬ろう」
「あら、食べないの？」
一姫の提案に周囲は凍りつき、しかし空腹の限界である彼女たちはワンコを食べる決断を下します。
紆余曲折を経て、一姫が解体した犬を焼き、貪るように喰らう。

久しぶりに口にした肉の味は目の前がクラクラするほど美味しかったと天音は述懐しますが、こんな極限状態に陥ったことのない我が身をしては想像を絶しますね。
イヌ好きですので結構キツい。にゃんめるにしろアリオンにしろ、わんこにゃんこに容赦ない作品です。

こうして、犬の肉で命をつないだところで次回へ続くわけですが、いやーキツい。
原作よりもたしかに大幅にカットされてはいますけど、それでも重要シーンは大体残っていますし、上述したようにアニメの特性を活かして、言いようのない絶望感、緊迫感をシッカリと描いていると思います。
引き絵のときの作画に若干の不満はありますが、上々の出来なのではないでしょうか。

実際問題、現代日本で現実では起こりえないであろうシチュエーションなのでそこに批判があることもまた事実ですが、なぜこんな場所なのか、なぜこんなに救助が来ないのか、ナドナド諸問題に対する一応の説明（言い訳？）は原作で語られていますので、そちらを参照していただけるとよろしいかと。それで納得できるかどうかはまた別ですが、フィクションとしては私は十分であると考えます。
教師が無能なのはさておいて、忘れがちですが彼女らは女子中学生（エロゲ的タテマエはともかく）なんですよね。その上名門お嬢様学校の箱入り。そんなJCたちがいきなりこんな過酷な状況に放り込まれて一体何ができるのか。生きるだけで精一杯。むしろ10日以上も生きているのが奇跡的ですよ。

さて次回はついにエンジェリック・ハゥルのクライマックス。
12話全てをハゥルに使い13話で赦しを描くのか、前半でハゥルを切り上げて後半にそれを持ってくるのか、その辺興味深いですね。後者ではちょっと尺が心配（そればっかだな）ですので是非前者で。